すべて国民は、個人として。

批判されるのが嫌で、個人の意見を言えなかった。

法律行為ってなんだろう

民法のテキストなんかをみると、最初の方に説明される言葉として法律行為というものがあります。普段の生活で、法律行為という言葉を見聞きすることはほとんどないので、理解するのに時間がかかりますが、民法を学ぶにあたっては大変重要な概念だそうなので、自分なりに整理していきたいと思います。

法律行為は権利変動原因のひとつ

法律行為というのは、権利変動原因のひとつで、その中でも意思表示を要素に含む、という特徴があります。例えば、Aさんが楽器店でギターを買いたいと思い、店員Bにそれを伝えます。そして、店員Bが「売ります」と承諾したとします(売買契約の成立)。

そうすると、Aさんはギターのお金を支払わなければならず(代金債務)、店員Bは、Aさんにギターを渡さなければなりません(目的物引渡債務)。言い換えればAさんは、ギターを引き渡せ、という権利(目的物引渡請求権)を、店員Bは代金を支払え、という権利(代金債権)を取得したことになります。

このように、ある人のもとで権利や義務が発生したり消滅したりすることを権利変動といい、その発生となった原因を権利変動原因といいます。今回のケースで言えば、Aさんと店員Bの売買契約が、双方に権利義務を発生させた権利変動原因といえます。

ところで、権利変動原因は今回のような契約に限らず、不法行為などでも発生します。例えば自動車で歩行者を跳ねてしまったような時、その自動車を運転していた運転者は、被害者に対し損害賠償責任を負うことになります(709条)。つまり、被害者は加害者である運転者に対し、ケガの治療費だとか精神的損害などの慰謝料を請求する権利を取得します。

このような不法行為による損害賠償請求権も、権利変動原因といえます。では、先に述べた契約を原因とする権利変動と、不法行為を原因とした権利変動では何が違うのでしょうか。

前者については当事者が権利の変動を目指して意思表示をしており、両者が意思表示によって望んだ通りの内容で権利を得、義務を負っています。一方、後者は加害者も被害者も、意思表示をして権利義務が発生したわけではありません。

このように当事者が権利変動を望んでする意思表示を法律行為といいます。

クレームで殺されないために覚えておいてほしい3つのこと

以前、部下に対して「クレームは大変かもしれないけど、クレームで死ぬことはないよ。そう思えば苦しい気持ちもなくなるさ」などと言ったことがあります。

たしかに、コンタクトセンターであれば電話での対応ですから、電話で殺されるようなことはありません。しかし、対面接客ではそのリスクがないとは言えない……。

クレームをつけられた経営者、暴行死。男2人を逮捕

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171229-00050077-yom-soci

こんな恐ろしいニュースがありました。簡単にいうと、居酒屋(ちゃんこ料理店)の経営者が男性2人からクレームをつけられて、挙句殺されてしまったという事件です。

ニュースには詳細が明かされてませんが、どうやら料理の盛り付けの仕方や従業員の態度が気に食わず、責任者として対応した経営者の方を殴る蹴る、さらに土鍋を使って殴る、ということをして殺してしまったようです。酒に酔い、男2人ということで気が大きくなっていたのかもしれません。

それにしても、これまで土下座事件のような不当クレーマーの話はありましたが、このような殺人事件(構成要件として現時点で殺意が認められていないので正しくは傷害致死ですが、あえて殺人と呼びます)というのは聞いたことがありません。本当に恐ろしく痛ましい事件だと思います。

怒りを抑えるために場所を変える 

ところで、対面接客の場合でこのような危険に晒されないようにするにはどうすればいいのでしょうか。

今回の事件でひとつ気になることがありました。それは、暴行を受けたのが居酒屋の個室内であった、ということです。殴られたタイミングがいつだったのかわからないので、一概には言えませんが、対面でのクレーム対応一般でいえば、相手がヒートアップしているような場合、まずは別の場所に移動させることが重要です。

相手が怒りで頭に血が上った状態の時は、人を変える、時間を変える、場所を変える、と「3つの変える」が有効と言われています。これは、人間の怒りのピークが6秒程度と言われており、そのピーク時に対応しないよう、少しでも冷静に、クールダウンしてもらうための方法です。

対面接客では迅速性が求められるので、前述の通り場所を変える、が1番効果的です。「他のお客さまもいらっしゃるので、こちらでお話しさせていただけますでしょうか」と一声かけて、決して相手のペースにハマらないようにしたいところです。

相手のホームに持ち込ませない

そして可能なら店の事務所だったり、応接室だったり、少し広めの場所まで連れて行くといいでしょう。個室というのはこれまでこの客2人がいたいわばホーム。また狭い個室だと、逃げ場がなく大変危険です。少し広めの場所なら何かあっても逃げる余裕ができますし、相手からすればアウェイなので心理的な圧迫もあり、簡単に手を出そうとは思えなくなります。

この「相手のホームで対応しない」というのが非常に大事です。例えばタクシーの暴行事件などみてもわかるように後部座席というのは客として振る舞えるホームになり得ます。また、自分の足の前に運転席があり、優位性を感じやすく、攻撃しやすい位置です。したがって、相手のホームではなく、こちら側のホームになんとか連れ出して対応することをまずしてください。

無理はせず警察の力も借りよう

しかしながら、連れ出す間も無く殴られたり脅されたりしたら、そんなことはできないですよね。事前にヤバそうな客だ、ということがわかっているなら、あらかじめ従業員同士で合図などを決めておき、すぐに警察を呼べるように備えておくといいかもしれません。

また、すでに「殺すぞ」などの暴言や、土下座などを強要されているのであれば、脅迫罪、強要罪で警察を呼んで対処してもらうことができます。

さいごに

何はともあれ命が1番大事です。この経営者は真面目な方だったのか一生懸命対応しようとしたのかもしれません。しかし、そのような危険が迫っているときは、すぐに逃げてほしいです。命を投げだしてまでしなければならないクレーム対応なんてあるはずがありません。

普段、対面接客でのクレームに悩まれてる方は、とくに気をつけてもらいたいです。頑張りすぎないようにお願いします。

今回の事件は本当に悲しい事件です。犯人2人には浅はかな行動を猛省し、きちんと罪を償ってもらいたい。

勇敢に対応し、亡くなられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

性善説で考えたら、いろいろ上手くいった話。

人間関係のトラブルがあると「この人、なんでこんな意地悪なんだろう」、「わざと嫌がらせしてるのかな?」などと思ってしまうことがあります。

私はとても短気な性格なので、相手が自分の期待していたものと違う行動をとると、すぐこのように考えイライラしてしまいます。

短気は損気、とはよく言ったものですが、それでも短気を治す、ということはなかなか難しいものです。そんな時、性善説という考えに出会いました。

この記事では、私自身が性善説で考え行動した結果、ハッピーになったという実体験を紹介したいと思います。

性善説とは

すごく簡単に言ってしまうと「人間の本質は善であって、本質が悪という人はいない」という考え方です。じゃあ、世の中にいる犯罪者は? とか、生まれた時はそうかもしれないけど、環境によって、本質が悪になることだってあるんじゃないの? とか思うかもしれないですが、ここで倫理学とかを議論するつもりはありませんので、シンプルにそういう考えなのだな、と思っておいてください。

つまり性善説で考える、というのは、たとえ自分にとって好ましくない人間であっても、本質は悪い奴じゃないんだよ、きっと何か事情があってのことなんだよ、と思うようにすることをいいます(と、ここでは定義します)。

性善説との出会い

その日、私は以前勤めていた会社の上司であるAさんと飲みに行きました。Aさんは私の人生の中で最も尊敬する人物の一人です。そして、私だけでなく誰からも好かれ、仕事の面においても大変優秀な方です。

どうしてAさんはこんなに人望厚いのだろう。その秘密を知りたくて、ストレートに聞いてみました。最初は謙遜して、冗談を言うなど誤魔化していましたが、ふとつぶやくように言いました。

「多分、性善説で考えてるんだろうね。」

私はAさんの数あるエピソードの中で、特に印象深いものがあります。それは、顧客にキレてしまう社員 Bの指導面談を行った際のこと。その社員は以前からキレる、モノにあたる、といった問題行動があり、手をやいていました。こうした行動は、サービス業として失格ですが、当時、ただちに解雇にできるほどの事由とは判断されませんでした。

面談の日、Bは指導を受けている立場にもかかわらず、Aさんに食ってかかりました。「あの顧客が悪い」、「顧客は俺のことをなめている」、「こういう面談で指導されること自体ムカつく」と。

普通の上司ならこうした発言に反論するのが当たり前で、中には怒り出す人だっていると思います。それか諦めて面談を終了させることもあるでしょう。けれど、Aさんはそのすべての発言を「そうかそうか、Bはそう思ったんだな」、「わかった、ムカついたんだな」とあたかもクレーム対応をするかのごとく受け止めの姿勢を貫いたのです。

こうした態度にBも張り合う理由がなくなったのでしょう。最終的にはAさんが諭し、解雇ではなく自主退職という形でこの件は終わりました。Bは、誰と面談をしても聞き入れず、また辞めるつもりはないということを前から言っていたので、このように決着させることができたAさんは本当にスゴイと思いました。

 「Bだって、決して根が悪いやつじゃないと思うんだよ。」

私がそのエピソードを思い出して話すと、Aさんは懐かしむように言いました。この時私は、性善説で考えると、相手をフラットに見ることができ、感情的になったり、イライラしたりしないのだな、と学びました。

私の抱えていた悩み

この考えと出会う前、私は後輩たちとの人間関係に悩みを抱えていました。当時私は、現場から離れて新人教育を行っていたのですが、既存の教育による効果が薄いことから、ある施策を実行しようと考えていました。その施策は、現場にいる後輩たちの協力が必要不可欠です。そのため事前に協力要請をしていたのですが、施策を実行しようとしたまさにその時、「そんな話は聞いていない」となってしまったのです。

念のため過去のメールを確認すると、私は後輩含め関係者にはきちんとメールで上記を伝えていました。そのため、「今更そんなことを言われても困る」、「メールに目を通していないお前たちが悪い」と感情的に怒りました。後輩たちは、メールをみていなかった非を認めたものの、今度は施策そのものにケチをつけ、やはり実行できない状態になってしまいました。

私は後輩たちに対し、現場の忙しさを理由にただサボろうとしているだけだ、私が施策による効果を自分の手柄ととしようとしていると思っているから、反対するのだ、と勝手に考えるようになりました。こうした想いから感情的なやり取りが続き、後輩たちとの間に亀裂が入っていったのです。

性善説が救ってくれた

そんな時、たまたまAさんと飲みにいき、性善説という考えに出会いました。しかし、性善説で考える、ということはなかなか難しいことです。Aさんは無意識にそれができるのですが、とてもじゃないけど私にはできません。
とはいえ、せっかく良いと思える考えに出会ったのですから、無理矢理にでもそう考えることができれば何かが変わるような気がしました。

私は今回の件について改めて振り返りました。後輩たちのメール、後輩たちの行動、後輩たちを取り巻く環境、これらすべてから「何か事情があって反対しているのだ」、「あいつらもきっと良くしていきたいとは思ってくれている」このように性善説で考えました。すると、先ほどのような感情的な気持ちが消え、自然と後輩たちと話し合わなければならない、という想いに至ったのです。

その後、上長に間に入ってもらい、私と後輩たちの話し合いの場が設けられました。私は、とにかく何を言われても性善説で考え、後輩たちの言い分に耳を傾けよう、と臨むことにしました。後輩たちの話を聞いてみると、やはり互いに思い違いがあることがわかってきました。そして自分にも反省すべきところがいくつもあったことに気づかされ、この点は素直に謝りました。

後輩たちの話を聞いた後、改めて私は施策の目的や、それによる効果、これをするためには現場側の協力が必要不可欠であることを訴えました。すると、これまでとにかく反対という立場だった後輩たちが、「そういうことならやってみましょう」と受け入れてくれたのです。正直、この話し合いは嫌悪になった人間関係を修復することが目的であったため、施策の話が進むことまでは考えていませんでした。

性善説がもたらしたもの

話し合いの後すぐ、施策が実行されました。私は細かなことでも積極的に現場へ出向き、互いの意見を尊重し合いながら施策を進めていきました。時には納得できないこともありましたが、性善説で考え、常にフラットな状態で相手の行動をみるよう心がけました。

それから数ヶ月、施策は私の考えた通りの効果を上げました。上長からも高く評価され、今では単なる施策ではなく、それが教育方法のひとつとして認められるまでになりました。もちろん、それだけでありません。後輩たちとの関係も良好になり、以前より絆も深まりました。

私は、相変わらず感情的になりやすく、イライラもしてしまいます。しかし、前とは違うのは、性善説で考えることで冷静に、客観的に物事を見極めることができることを知ったということです。これを知っているのと知らないのは大きな違いだと思います。

性善説を無意識で考えることはまだまだ出来ませんが、意識的にそのように考える、切り替えスイッチのようにして今でも使っています。私のように人間関係の悩みを抱えている方は、ぜひ性善説を前提にしてから、物事を考えてみるといいかもしれません。

 

あなたのビジネスがより良いものとなりますように。

子供にクレームをつけてみた

僕は基本的に土日休みなのですが、うちには連れ子が2人いるため、休日といえどゆっくり休むことはできません。

 

しかし、子供たちのおかげで癒されたり救われたりすることがたくさんあるので、結果的には今のシフトで満足しています。

 

さて、この間の日曜日のこと。

 

僕がフライドチキンやら、スペアリブやらクリスマスパーティー用の料理(クリスマス当日は出勤なので)を作っていると、4歳の長女がトコトコとやってきました。

 

「クッキーとおせんべい、かってくーださいっ」

 

どうやらお店屋さんごっこをしているようです。

 

「じゃあください」とお金を渡すフリをして、パクパク食べるマネをすると大喜びしています。そしてニコニコしながら今度は母親のところへ向かい、同じようにクッキーとおせんべいを売っていました。

 

全く可愛いんだから、と思いながら料理を作っていると…。

 

「クッキーとおせんべい、かってくーださいっ」

 

「あーうん。はい、おかねー。パクパク、おいしーねー。ありがとー」

 

先ほどと同じテンションで対応します。そして彼女は満足気に去って行きます。子供というのは楽しいことがあると何度でも繰り返す習性があります。そしてこの後2回もクッキーとおせんべいを買わされました。

 

さすがに3回目となると、こちらもいちいち作業の手を止めなくてはいけないので若干イラっとしてきます。

 

「はい、おかね。。はい、ごっそーさん」

 

投げやりな対応です。しかし、ここで怒ったり怒鳴ったりしてはいけません。なんとかそうせずにこの遊びをやめる方法はないか、考えました。

 

そうだ、クレームをつけてみよう。

 

通常、子供との遊びは子供が求める答えを出して楽しませるものですが、今は一刻も早くこの無限ループから脱出しなくてはいけません。

 

「クッキーとおせんべい、かってくーださいっ」

 

きた! このターンでお店屋さんごっこを断ち切ります。

 

「ちょっと!おたくで買ったクッキーとおせんべいを食べたらお腹が痛くなったわよ。どうしてくれるの?!」

 

「……」

 

絵に描いたようなクレーマーです。

 

子供はまさかの反応に唖然とし、何も言わずに僕の元を去っていきました。少し可哀想ですが、大成功です。

 

ふぅ、と軽いため息をついて、フライドチキンを揚げ始めます。良かった、これでお店屋さんループを断ち切ったぞ。

 

2度揚げにさしかかろうとした時、去ったはずの娘がまた僕のところへやって来ました。

 

まさかまたクッキーとおせんべいを売りつけられるのでは?!

 

「…あの、えっと、薬どうぞ!!」

 

なんと、彼女はクレーム対応をし始めたのです。大人のように謝罪したり、賠償金を払うなどの選択肢はありませんが、腹痛=薬、という図式が彼女の頭の中で成り立ったのでしょう。

 

そのあともめげずに何度も足を運び「おなかはどうですかー?」とアフターフォローを欠かしません。さらに驚いたのは、僕が「薬のおかげでお腹は良くなったよ。ありがとう」と言ったあとのことです。

 

「あたらしいクッキーとおせんべいはおなか痛くならないから、どーぞ」

 

一定の不満の解消が得られたと感じたのか、今度は安全性をアピールして、改めてサービス展開をし始めたのです。

 

彼女はクレームに対して誠心誠意対応し、さらに顧客を逃がさない手を打ってきたといえます。

 

子供から学ぶことは多い言うけれど、まさかクレーム対応の基本を教えてもらうとは思いませんでした。

 

ん?ただの親バカじゃないかと?

 

確かにそれはあるかもしれませんが、僕はこのやり取りの中に、クレーム対応で忘れてはいけない基本的要素がいくつも散りばめられているなぁ、と思いました。

 

以上、4年も前に書いた記事が下書きに残っていたので、思わず公開してしまいました。今では彼女も8歳になり、すっかり生意気に(笑)。それと下の子が生まれ、私は3人の親になりました。

 

ちなみにあれ以来子供のごっこ遊びにクレームをつけることはありませんが、日々「これって、仕事でいうとこういうことだよなぁ。」と唸らせられるようなことがあり、やっぱり子供っておもしろいなぁ、って思います。

お客さまに寄り添うということ。

接客業全般においてお客さまに寄り添い、親切丁寧な応対を心がけなさい、とよく言われますよね。

この記事では、お客さまに寄り添うというのは、どういうことか、私なりの考えをまとめてみました。

話を"きく"こと

きく、という言葉には、聞く、訊く、聴く、と3種類のきくがある、と応対研修やビジネスマナーのセミナーなどで説明されます。音としてボンヤリと耳に入るのが聞く、質問するなどして、お客さまの言葉を引き出すのが訊く、そして、お客さまが真に言いたいことを察するのが聴く、というように分けられます。

最後の"聴く"、というのはたとえ相手の意思が表明されていなかったとしても、「もしかしたら、こういうことが言いたいのかもしれない。」と考えることから始まります。耳に十四の心、と書くように色々な心をもって耳を傾けなさい、という想いが現れた漢字ですよね。そのため、この"聴く"がお客さまに寄り添うために1番必要なスキルだと言われています。

しかし、色々と相手の思っていることを想像できたとしても、それを確かめる手段がなければただの妄想に終わってしまいます。相手の真理を確かめるためには、質問をして確認しなければなりません。つまり訊くスキルが必要です。

さらにいえば、お客さまが発言した言葉を一言一句聞き間違わずに認識しなければ、そもそも話が成り立ちません。ということで聞くスキルも必要になります。

結局どの"きく"スキルも必要不可欠だということです。実は先述したように、応対研修などでは、"聴く"が最も重要である、とされがちで、"聞く"にいたっては、細かな説明はされずに、むしろ「聞く、はダメ。聴く、訊くをしなさい。」などと教えるセミナーもあります。

聞く、訊く、聴くはどれが欠けてもいけません。すべてお客さまに寄り添うために必要なスキルだと考えます。

従業員はお客さまの代表者

どの会社でもマニュアルやルールが存在しますよね。マニュアルやルールは大変便利です。お客さまのために何をすべきか、会社のためにどのような手順をとれば効率的か、すべて書いてあります。自分の頭で考えなくても、先人たちの知恵を容易に借りることができるのです。

ところが実際の仕事ではマニュアル通り、ルール通りにやっているのに上手くいかないことが多々あります。とくに接客時は、お客さまの要望がマニュアルになかったり、ルールとして叶えられなかったりすることが多いのではないでしょうか。

そんな時、一従業員に過ぎない私たちはこう考えます。残念だけど、ルールだから仕方ない。できないものはできない、と。

さて、こうした対応はお客さまに寄り添ったものと言えるのでしょうか。もちろん、組織の一員としてルール違反を侵すことはできません。けれども、お客さまと1番近い距離にいる人が、そう簡単に諦めてしまうのもなんだか切ないですよね。

今、さらっと言いましたが接客業における従業員はお客さまに1番近い存在といえます。ということは、組織の一員としての立場と同時に、お客さまの声を代弁して組織に訴えることができる立場にもある、と考えることができるのではないでしょうか。

このような前提があると、お客さまからルール的に無理な要望を言われたとしても「なんとかできないだろうか。」と考える余裕が生まれます。つまり、仕方ない、できないものできない、と安直に考えることがなくなるです。するとどうなるか。自ら代替案を提案したり、なんとか要望を叶えられないか上司にかけあったりすることができるようになります。

「そうは言っても決裁権もないし、上司は聞く耳持たずだし。」と思う人もいますよね。しかし、みなさん自身が一従業員としてではなく、お客さまの代表者なんだ、という気持ちでいれば、上の人を納得させるための材料をかき集めることだって出来るはずです。結果として要望は叶えられなかったとしても、お客さまのために奔走した、ということが伝われば、満足を得る可能性は大変高まるといえます。

私たちはマニュアルやルールがあると、どうしてもそれに縛られてしまいます。しかし、お客さまはひとりひとりが違います。マニュアルやルールにすべてのお客さまを納得させる方程式は載っていません。お客さまに寄り添うためには、マニュアルやルールの外に目を向けることも必要だと考えます。

まとめ

私たちは、お客さまに寄り添うこと、親身になること、が大事だということは意識できていても、それが具体的にどういう行動を指すのかいまいちわかっていないように思えます。

こうした抽象的な言葉を、抽象的なまま受け入れてしまうことは理解できていないのと同じです。イメージだけでわかったつもりになるのではなく、ではどうすればよいか、ということを考え、具体的な行動に移すことが、お客さまに寄り添う第一歩ではないでしょうか。

あなたのビジネスがより良いものになりますように。

簡潔に、わかりやすく説明する方法

相手に何かを説明するとき、クドクドとわかりづらい説明をしていませんか?

この記事では、簡潔に、かつわかりやすく説明をするための方法を紹介しています。

人間の集中時間

わかりやすく説明することを「詳細を話すこと」と思っている人がいます。しかし、人が本当に集中することができるのは、わずか数秒間だと言われています。

人の話を聞く時、最初はちゃんと聞いていられたけど、途中からボーッと違うことを考えてしまった、という経験は誰でもあるのではないでしょうか。このことからも我々の集中力がそう長くは続かないことがわかります。

そのため、人にわかりやすく説明するためには、まず話が長くてはいけません。可能な限り短くして、集中してもらう必要があります。では短く話すためにはどうすればいいでしょうか。

要点が何かを考える

ここからは、外国人に相撲を説明する、という例題で考えていきましょう。まず短く話すということは、要点をかいつまんで話すことになります。相撲を概要として伝えるために、構成されている要素はなんでしょうか。裸で戦うこと? 体が太っていること? 土俵からはみ出したら負けること? 髷を結っていること? 神事であること? 色々と思いつきますよね。

しかし、外国人相手に「相撲は神事です。」と伝えても、ローブを身にまとったキリスト教徒を思い浮かべるかもしれませんし、「相撲は、髷を結った人が裸で戦うスポーツだ。」と言われても、そもそも髷のイメージがわきません。つまり、要点をかいつまんで伝えるにも、相手がその要素を知っているかどうか、といったことが大変重要になるのです。したがって、要点は、一般的に、誰であってもわかる部分を取り入れるようにしましょう。今回の場合だと、「体の太った男同士が、円形の土俵という範囲の中で、闘うスポーツ」といったところでしょうか。

短く話す、とは

短く話す、と前置きしておいて話が矛盾するようですが、当然これだけの説明では足りないことがわかります。相撲を知らない人からすれば、太った人というのは贅肉ばかりの不健康な姿を想像しますし、闘う、といっても素手なのか武器を使うのかがわかりません。

短く話すことで集中させることはできますが、当然伝えたいことをすべて伝えられるわけではありません。短く話しつつ、伝えたいことを伝える、それが簡潔に話す、ということです。そのためには話をテーマごとに区切るようにします。

テーマというのは、その話の主題、1番伝えたいことです。さきほどの「体の太った男同士が……。」でいえば、「まず、相撲について概観してもらう。」になります。そして、それだけでは足りないな、ということでしたら、「次は太った体について伝えよう。」とか「土俵についてもう少し掘り下げて伝えよう。」とかテーマを設けて話します。

つまり、短く話すというのは、一言ですべてを言い切れ、というものではなく、テーマごとに一言で言い切れるようにすることをいいます。もちろん、ひとつのテーマが大きいものもありますから、その場合は、そのテーマをさらに分割するようにします。

 

<話の流れイメージ>

•テーマ1 相撲の概要

•テーマ2 関取の概要

•テーマ3 ルールについて

 ┗テーマ3-1 勝負開始の合図

 ┗テーマ3-2 勝敗の決め方

•テーマ4 神事としての相撲

 

このように、テーマごとに話を区切れば、集中を欠くことなく、伝えたいこともすべて伝えることができます。

まとめ

いかがでしょうか。今回は、短く話す、簡潔に話す、ということに絞ってお伝えしました。物理的な時間の短さもそうですが、たいていの話は一言だけで終わらせることができません。そのため、話を聞く相手方に飽きさせないため、テーマごとに話を区切る、ということがとても重要となります。

これ以外にもわかりやす説明する技術はたくさんあります。例えば結論から話す、というのもひとつの方法ですね。良ければこちらの記事も参考にしてみてくださいね。

 結論から話す、が上手くいかない!と思ったら。 - すべて国民は、個人として。

あなたのビジネスがより良いものとなりますように。

結論から話す、が上手くいかない!と思ったら。

相手にわかりやすく話を伝えるために結論から話すことが良い、とされています。しかし、効果を得るために最低限守らなければならないルールがあります。

今日は、説明スキルの定石とされている「結論から話す」ことの注意点や、目的についてお話していいます。

そもそも結論から話す、とはどういうことか

結論から言うと、理由や経緯などを述べる前に、話の結論(結果)を先に伝えることをいいます。

↑まさに「結論から話す」ことについて、結論から話してみました。

 ……さて、いきなりですが、どうでした?(笑)

結論から話されて、なるほど、よくわかった!って思いました? 思わないですよね。多分、「で?」と言いたくなったのではないでしょうか。

結論から話しても伝わらない理由

当たり前のことですが、結果には、それを生じさせた原因があり、結論には、その結論に至った理由があるわけで、これらも併せて話さないと伝わりません。さきほどの話であれば、結論から伝える目的や、メリットなどを入れないとダメ、ということですね。

そんなの当たり前じゃん、結論から伝える、というのはそれありきでしょ、と思われる方もいると思いますが、残念なことにこれが出来ていない人が多い。結論だけ伝えて満足しちゃう人が多いんです。例えばこんな感じ。

上司「売上目標は達成できたのかね?」

部下「結論から言いますと、未達成です。理由としては、相当厳しい状況でして、いろいろと努力はしたのですが、達成することができませんでした。」

もし、この会話をみて「あれ? 部下くんは、理由もちゃんと伝えてるんじゃないの?」と思った方は注意してください。

この話の結論は「売上目標が未達だった」ことですが、その原因や理由が本当に述べられていると言えるでしょうか。もう一度よくみてください。確かに、会話は自然です。しかし、「厳しい状況だった」ことや、「努力したけど達成できなかった」というのは、結局「目標が未達成だった」ことの言い換えに過ぎません。

つまり、理由でも原因でもなんでもない。結論しか話していないのと同じだということなんです。最初に述べたように、結論から話すのであれば、必ず原因や理由も併せて伝える必要があります。

相手が思うwhyを用意して話す

では、原因や理由とは何か。それはwhy(なぜ)に応えることのできる内容のことです。

上司「売上目標は達成できたのかね?」
部下「結論から言いますと、未達成です。新商品販売があったのですが、これに伴い既製品を一時的にすべて撤退させました。しかし、新商品より既製品の方にニーズがあり、新商品は想定より売れませんでした。また、先の理由から既製品の提供も遅れ、キャンセルが相次ぎました。そのため、目標を達成することができませんでした。」

部下くんの戦略の良し悪しは別として、今度の話では、結論に対する理由(原因)がきちんと述べられているのがわかります。「売上が未達なのは、なぜ?」に応えることのできる内容が、「新商品の売上が想定を下回った」や、「既製品のキャンセルが相次いだ」という話によって、きちんと伝えられています。

結論から話す、の目的

結論から話す際の最低限のルールについてはわかったと思います。では、最初にあえて述べなかった結論から話す、の目的についてお話しします。

なぜ、結論から話す、のか。それは、

  1.  相手が話の要点をすぐに掴んで、迅速に対応できるようにするため
  2. あらかじめ話のゴール(終わり)を知らせることで、相手に話を整理させ、落ち着いた状態で聞いてもらうため
  3. 結論から話すことで、話し手自身が横道に逸れないため

1はスピードが求められるビジネスの場において重視される目的です。例えばトラブルの報告や、エレベータートークなどでその力が発揮されます。迅速さが求められる状況で、もたもたと経緯や理由から説明されたのでは、相手としても「いいから、結果どうなったのか教えて!」と言いたくなってしまいます。

2は、お客さま対応や、教育の現場で重視される目的です。ただし、結論から伝える、というよりは、目的を伝える、といった方が正確です。例えばテクニカル系のコールセンターで、エラーを解消させるための作業をすぐ案内するのではなく、先に「◯◯が原因と思われますので、△△を取り除く必要があります。そのため◇◇していただきたいのですが、よろしいでしょうか。」となぜその作業が必要か、目的を伝える。新人の教育で、いきなりその作業をさせるのではなく「これから教えることはうちの会社の中では◯◯の位置付けなんだ。そしてこれがうまく機能することで、△△になるんだよ。」と作業の目的を伝える。目的が明らかになれば、単調な作業であっても、常にゴールを意識することができ、モチベーション維持にもつながります。

3は、話し手の意識において重視される目的です。みなさんもこれまで「あれ、私は何を言いたかったんだっけ」となってしまった経験が少なからずあるのではないでしょうか。そこで、先に自らの口で結論を伝えておくことで、あとはゴールへ向かって話を進めるだけだ、という心の余裕が生まれます。そして、ゴールが明確になっているため、話が横道に逸れてしまう、といったことを防げます。

状況に応じて目的も異なりますが、どのような状況であれ、結論だけ、はもちろんダメです。とはいえは、すべての場合で同じような話し方をすることもよくありません。状況に併せて相対的に結論部分に重きを置くか、理由部分に重きを置くか、は変える必要があります。

ネガティブな結論は少し濁す

さきほど、例題として部下くんの「目標が未達だった」ことを挙げて説明しましたが、現実ではネガティブなことを「結論から言いますと」と言ってしまうのは、あまり良い印象を与えないことがあります。

あなたが上司だとして、部下に何かを頼んだ際、「結論から言いますと、できません」と言われたら、ちょっとムカッときますよね。上司としては、できることを望んで頼んでいるわけですから、「なんで、できないんだ!」という苛立ちが邪魔をしてしまい、たとえ正当な理由だとしても冷静に聞くことができなくなってしまいます。

そのため、結論がネガティブなものであれば、少し濁すように伝えるといいでしょう。濁すといっても誤魔化すわけではありません。相手の気持ちを汲み取って、少し理由を加えるとか、クッション言葉を入れるとかするようにします。

「今、手持ちのタスクがいっぱいで、正直厳しい状況です。」このように伝えた方が、上司も「ああ、そうなの。じゃあ少しタスクもらおうか?」とか「期限が◯◯ならいけそうかな?」とか譲歩してくれます。

まとめ

結論から話すことは、今やビジネスマンとして当たり前のスキルになっています。しかし、結論だけ話してそれでおしまい、という伝え方も現実に多く存在しています。また、厄介なのは、理由になっていないことに、話し手が気づいていないことです。

そういったことがないよう、常日頃から結論に対する理由、結果に対する原因を考えるクセをつけ、それで伝える、という行為をしてみると良いですね。

あなたのビジネスがより良いものになりますように。